離婚をできるだけ有利に進めるためには?(男性編)|男性の離婚と親権・慰謝料・養育費

離婚をできるだけ有利に進めるためには?(男性編)|男性の離婚と親権・慰謝料・養育費

離婚問題には必ずお金の問題がついて回ることになります。一般に世の中に出回る情報の方向性として、収入の面で夫より劣る妻側の立場で語られることが多いですが、本章ではあえて男性側の立場に立って解説します。収入が妻より多い夫が親権・慰謝料・養育費の協議において、できるだけ有利に進めるには、という前提で考察していきますので、該当する男性は参考になさってください。

親権

親権については一般に女性の方が有利になることが多く、男性は基本的に不利な立場からスタートします。裁判例を見ても、特段の事情が無ければ、母親が優先されているのが実情です。男性は仕事などでどうしても子どもと一緒に居られる時間を取りづらいこともあり、親権者として子どもの養育監護を担うとなった時に、十分に子どもに寄り添えるかというと、母親よりは劣ることになるでしょう。これを覆すのは難しいところもありますが、普段からできるだけ子どもと一緒に過ごす時間を取るようにし、どうしても自分が一緒に居られない時は実家の両親の協力を得られる体制を作るなど、積極的に工夫することにより、少しでも自方に優位性も持たせることは可能です。

これに加えて、もし母親側に親権者として相応しくない行いがある場合は、一気に父親有利に傾けることもできます。最近のご相談の実例として、実は、「100%の母親が親権を欲しいとは限らない」ということがはっきりしています。初めから「絶対に母親は親権を譲らない」と決めてかからない方が良い場合もあります。

15歳以上のお子さまは、争いになった場合、お子さまの意見により親権が決まります。また15歳になっていなくても、ある程度大きくなったお子さまにも、お子さまの気持ちを聞いてそれを考慮する場合もあります。

慰謝料

例えば夫が不倫をしてしまい、有責配偶者となって妻に慰謝料の支払いが必要になったとします。慰謝料については、争いになった場合、結果として「離婚になったのか?離婚に至らなかったのか?」により、金額が変わってきます。不倫により離婚に至った場合は、ある程度の支払いは免れないでしょう。

ただ妻が相手女性に対し、慰謝料請求をしており、支払いを既に受けている場合は、そこは考慮されます。不貞行為は、共同不法行為ですから、どちらか一方に、その支払いを全て請求することも可能です。

慰謝料に関しては、有利と言う言葉は適しませんが、財産分与を妻に多く与えることによって、慰謝料の支払いに替えることは可能です。例えば、夫名義の不動産を妻に譲ったり、妻をそのまま夫名義の不動産に無償で住まわせることなどの対応をもって、慰謝料の支払いの代替とされている方も多いです。

養育費

養育費については、収入面で多い方の配偶者の負担が大きくなるのは仕方がありません。これまでの事例を基にした養育費の算定表というものがあり、裁判や交渉上での相場として機能していますが、これに従えばやはり収入の多い方が負担金額は大きくなります。ただ養育費の算定表に従った金額は、実は、生活するのに最低限の金額であり、これから更に減額交渉をするのは、実際は難しい部分もあります。

今の世間の流れを考えますと、「養育費未払いの父親を公表する」などの条例を制定しようとするような明石市の例があったり、大阪市も積極的に養育費未払い防止のために公正証書の作成費用を負担する制度を設けたり、これは、現代の「シングルマザー家庭の貧困」の問題が背景には大きくあります。また本来父親が支払うべき養育費が未払いのため、全く関係のない人から徴収した税金により生活保護費や児童扶養手当が支払われていることへの疑問も多くでています。

上記のことを踏まえて、養育費については誠実に夫婦で考える必要があります。

夫側からの交渉で、少しでも減額できるために気を付けるポイントは、

1. できれば、数年で養育費を見直すような方法をとる。

これは、離婚後は、妻が働き出して収入を得るようになることが殆どであり、無職のときの算定表で決めた養育費の金額が変わってくることが非常に多いです。 ですから、離婚時のままの金額が、支払い過ぎになっている場合もあります。

2、元妻が再婚したことを見逃さない。

元妻が再婚し、子どもが再婚相手の養子になった場合は、見逃していてはいけません。元妻が再婚したからといって、子どもが成人するまでは、養育費の支払い義務がなくなることはありません。しかし、再婚相手の年収により支払い金額が減額又は実際はなくなるということもあります。元妻の再婚も見逃さない一番簡単な方法は、子どもとの面会交流をかかさないことにつきます。

離婚問題の交渉は多項目を絡ませて複合的に進められることになるので、「全体として有利に進める」ことができるよう、離婚問題に詳しい専門家に相談するようにしましょう。

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